初全身麻酔+歯根除去手術
長めレポです、ご了承下さいませm(_ _)m
写真は後半です。


【症状】2003年3月5日夜:歯を磨こうとした所、
口腔内右側前臼歯(その時は第2前臼歯だと思ってた)
と歯茎に隙間のようなものが見え、歯がグラグラしているのを見つけた。

【原因&1回目の診察】 2003年3月6日朝:かかりつけ医に診せると
外圧がかかって歯根から折れたのだろう、ということで
すぐに抜歯。抜いた瞬間は驚いた様子だったけど、
特に痛がって泣くなどなく、消毒後は薬も処方されず
帰宅。その後の様子もいつもと同じ。

フリスビーのガジガジが影響したのかも、
と思ったが、そうであればこのたった1本の歯
以外にも影響が出てもおかしくないだろうし、
どこかにぶつけたとして、歯茎はまったく異常
無く、上手い具合にこの歯だけ、しかも1本だけ
折れるということがあるのかなぁ?と疑問に思った。

夜にネットや、今まで読んだ動物病院や病気に
関する本を改めて見てみる。

そこで、上尾市にあるF動物病院の院長F先生が
犬猫の歯科治療に非常に造詣が深いことを 発見。



【2回目の診察】 2003年3月7日朝:診察開始時刻9amの
少し前にF病院に電話をしてみると、受付の方が朝のオール
スタッフミーティング中のF先生にすぐ事情を話してくれ、
折り返しの電話で「一度診せにきてほしい」という
先生の伝言を伝えてくれた。

受付してすぐに診察に入れるよう、カルテを
作っておいてくれることになり、
「遠いですが、道中気をつけていらしてくださいね」
と言ってくれた受付のMさんの優しい対応にウルウル

上尾まで、ここからだと下道で車で1時間半程度
とお父ちゃんから聞いたので、午前中しかいらっしゃらない
F先生に診てもらうべく、速攻で出かけた。

雨のせいで視界も悪く、病院手前の道では少し
渋滞もあって、焦る!

9時10分に家を出て、10時40分に到着。
1Fが駐車場で2Fに受付がある。
コー助も連れて上がると、ウェスティの飼い主
さんが調度会計を済まそうとしている所で
幸い他には患者さんはいない。

電話で受付してくれたMさんが話中で
奥から女医さんがニコニコしながら出てきて
挨拶してくれ、事情を確認してくれた。

間もなくF先生が名前を呼んでくれた。
診察室に入るなり、「大変でしたねぇ。遠くから
ご苦労様です。まずはお話から伺わせてください」
と、こう言ったら失礼だけど、歌舞伎の女形の人
みたいに、優しい声と言葉で接してくれ、
後ろには、研修医の若い先生がコー助に
笑顔を向けて立っていた。
“やっぱりね、コー助可愛いもん♪”(今だから吐けるバカ親発言・笑)

事情を話し、診察台に上げてまずは体重を計る。
10.4kg昨日と同じ。

先生から「この子はお口の中見せてくれますか?」と
質問されたので、「口を開けるのは大変ですが、大丈夫です」
と返事した。「どれ、コー助君っていうんだね。診せてね」
と更に更に優し〜い声でコー助に話し掛ける。

左右両方の歯並びをチェックしながら
昨日抜いた歯も見せた所
「これは乳歯の可能性が高いですよ」と。

もうすぐ3歳なのに、そんなことって?!
と尋ねると、「珍しいですが、ありますよ」
お母ちゃん愕然・・・まさかまさか乳歯とは・・・
その乳歯が残っていたために、そこに生えてくるべき
永久歯が、その歯の前後に生えてしまっている。

だけど確定診断するには、口腔内のレントゲンを
きちんと撮って確認しないといけないそう。
レントゲンは軽い鎮静剤を使ってボ〜っとさせる
だけだから大丈夫ですよ。と言う事で、
X線撮影をしてもらうことに。

「じゃぁ、連れて行きますね」と女性スタッフ
がコー助のお腹の下に腕を入れると、体を硬く
させるコー助。振り返って思いっきり不安そうな
顔を見せるので、「コーちゃん、頑張るんだよ!」
と頭をひと撫で。後ろの若い先生も「頑張ろうね〜」
とまたもや笑顔だった。



院内に色々はってある情報を読みながら
少し待っていると、先生がまた私を呼び、
「やっぱり撮って良かったですよ。」と写真を
見せてくれた。折れた(取れた)歯の根元、
歯根が2つしっかり残ってしまっていて
かつまた、第2前臼歯の歯根が本来なら2本なければ
ならないのが、1本しか無い、ということが分かった。

このまま歯根を残していると、そこから
細菌が入って、歯肉炎、歯髄炎、あげくは
目の下に膿がたまる、という所まで行くと言われる。

【手術】:「きちんと手術で歯根を取り除いて
あげた方がいいでしょう。全身麻酔に
なりますから、今から2時間〜3時間後に
お迎えに来てもらえますか?麻酔覚醒を
こちらでちゃんと見届けて安全な状態
でお返ししたいので」と言われた。

“え〜!やっぱりそうなっちゃったの〜(涙)
しかも今すぐ手術に入るなんて”とちょっと
ひいてしまったけど、あんな話を聞いて
放っておくことも出来ないし、であれば遅かれ早かれ
施術をお願いするんだ、やってもらおう。
と決心。それでも数時間の麻酔になるのかと
不安に思い、麻酔をかけている時間はどれ位か
尋ねると、10分から長くて1時間とのこと。

「全身麻酔は初めてなので、くれぐれも宜しくお願いします」
と思いっきり頭を下げてお願いした。(涙)

“全身麻酔が怖いこともあって去勢手術もしてなかったのに、
まさか歯科治療で麻酔のお世話になるとは・・・”




病院を出たのが11時45分頃。2時までしばらく時間がある。
重い病気では無いと分かっていても、心中落ち着かない。

上尾駅脇の大型スーパーに入ってウロウロ。
“は、そうだ!朝から何も食べていなかったっけ”
とひとまず食事をすることにして店舗に入る。

何かあったら本当に困るけど、でももし連絡が
入ったらすぐに動けるように、と携帯を目の前に置く。

ちょっとして出てきたスパゲッティ、心配で気がそぞろで
ちっとも味がしない!こんなまずいの・・・(涙)
おまけに後ろの席に座った親子、子供が意見を
はさむ間も与えない調子で母親が
ガ〜ガ〜子供に何かを諭している。

“よっぽど、だまってくれ!と言いたかった。イライラしてたんだよなぁ・・・”

調度店を出かけた時にお父ちゃんから電話が。
私が弱気発言をすると、「だ〜いじょうぶだって」
と楽観発言。

“後で、お父ちゃんも相当心配していたことが分かったんだけどね(^^;)”



2時まで清掃会社が入るので、院内に入れないと聞いていたので
2時10分前に駐車場に車をとめ、2時きっかりまで待っていた。
その間、帰り道迷って余計な時間をかけないように
カーナビと地図で念入りに“道”チェック!(笑)

【結果】1階入り口を入ると、お掃除のおばちゃんが
何か聞きたそうだったので「2時にお迎えなんです」と
言うと「聞いてあげますね」とこれまた優しい対応で
2Fまで一緒に駆け上がってくれた。

今度は別の若い先生が出てきてくれたり
受付Mさんが数回コー助の様子を見ては
「コーちゃん、今色々な先生に声かけてもらってますよ」
「しっかり立ち上がってますよ」と教えてくれる。
それだけでも先に聞いてほっと一安心。

“どうやら、先生は私に携帯に電話する、と言ったらしいのだけど、
ちっとも記憶に無かったんだよ。相当テンパってたね(涙)”




しばらく待っていると、女医さんが名前を呼んでくれた。
「術中の様子をデジカメで撮ってますので、それを見て
頂きながら院長からお話がありますので」と言われて、
思わず、“お!HP用に撮っといてくれたのか?!”なんてね!

扉の奥、診察台の上にコー助、その後ろにF先生、コー助を支えて
くれている若い先生。それから女医さんが居た。

コー助の、今まで見たことの無い、ちょっとボヤボヤした
そんでもってすごく不安そうな顔を見た時、手術がちゃんと
終わって、麻酔も覚めているのだと分かり、泣きそうになった。

先生方に「ありがとうございました」と言いながら
同時に「コ〜ちゃ〜ん、よく頑張ったねぇ(涙)」と
頭を撫でたら大変!それまでジッとしていたらしい
コー助が台から降りて私の所に来ようとジタバタ。
先生に、「だいじょうぶだよぉ」なんてなだめられてる(^^;)

「それではね、術中の様子を説明致します」とF先生。
***こっから下の写真は結構グロイので、卒倒しそうな方は見ないほうがいいかも***


3/6に抜いた後  昨日かかりつけ医が抜歯したままの状態。
抜けている部分の前に2本歯が生えてしまっているが、この内手前1本が、本来は この空いた場所に生えてくるべき歯。しかも歯根が1本!!Oh my god!!

痛いそ〜〜〜!(泣)  乳歯が折れてから時間が経っていたらしく、 歯根の周りに巻きつくように歯茎がくっついていたそう。(ほんとにごめんね、気付くの遅くて) なので、歯茎を剥離させ、頭蓋骨を露出させ施術することに。

歯根を出す  まきついた歯肉をはがし歯根を探す

歯根除去中)  乳歯の歯根はやわらかく壊れ易いので、歯根を取る時も 一度に力を入れてしまうと、また途中から折れてしまう恐れがあり、丁寧にちょっとずつ掻きだしている。

歯根除去後  残っていた2本の歯根を取り除いた跡。

洗浄  洗浄中

縫合  結局5針縫合。糸は時間はかかるが吸収されて無くなるもの。

歯根と乳歯  上2本が今回除去した歯根。下は折れて抜歯した歯。こんなに残っていたんだねぇ・・・




上記写真を見せてくれながら、逐一説明をしてくれた。
あれだけ歯根が残っていたから、やっぱり今回除去して
おいて良かった。

もちろん、お父ちゃんにも様子を見せたいし
ここでも誰かの参考になるかと、UPしたかったので
お願いすると、すぐにCD-Rに取り込んで渡してくれた。

受付に出てお会計。当初1万円台と言われていたが
剥離などを行ったために3万円台に。

しかししかし、出掛けにかけずりながらもanicom
の保険証をバッグにつっこんでてよかったぁ・・・
この保険を扱ってくれる医院はどこに対しても明朗会計
でないといけなくなるので、使うことを嫌がる所も多く
使えなくてもともと、なんて思っていたのに
F動物病院もしっかり制度を使ってくれていた!
おかげで負担額は半額に。

朝晩1週間分の液体抗生剤をもらって
13日(木)に術後経過を診てもらうことに。



私の気の抜けた様子が伝わったのか、「コーちゃん、
よく頑張りましたよ。」「全身麻酔、心配される気持
とてもよく分かります。」とか女医さんも看護士さんも
話してくれ、余計気が楽になった。

最後に先生も出てきてくれて、「やっぱり歯は
きちんとレントゲンを撮らないといけないし、
残念ながら、恐らく栃木ではそういうことを
やる病院は無いと思うし、埼玉でもここだけだと
思います。よく来てくださいましたね。」と
言ってくれた。

歯科治療を専門としている先生だけに、
歯や歯の病気が影響して体調を壊すワンコやニャンコを
少しでも減らしたいのだと思うし、やっぱり歯に
対して飼い主の意識がもっと高くあるべきだと思って
いるのだと感じた。

車に戻ってお父ちゃんに電話しようとした所で
女医さんが駆け下りてきた。「何だろう?」と
思ったら、例の除去した歯根をわざわざ袋に入れて
持ってきてくれたのだ。

その後は雨や工事のための悪路を気にしながらも
コー助の様子を見つつ、運転して帰宅した。
途中、呼吸が速いのが目立ち、1度だけ吐きそうな様子も
あったが、後はまだ残っている麻酔のせいで眠ってくれていた。

“玄関開けるなり、太郎の叫ぶ声が!あ〜こっちでも 待ってる子がいたのだぁ〜(泣笑)”
う〜、お父ちゃ〜んzzz  お父ちゃん帰宅後離れず眠るコー助

すっ、すごいっ!  この顔も麻酔のせいだと思いたい・・・一句


●麻酔後は体温がいつもより下がるため、暖かくすること
●今回の傷口は2週間位でふさがるらしい
●運動は2〜3日もすればしてもOK!
●帰宅後の食事もいつも通りでOKだけど、量をあげ過ぎると嘔吐しやすいので少な  めに。

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