《動物の寿命》

ワンちゃんネコちゃんは15年から16年は生きるといわれています。
この世に生まれた動物は、必ず老化し、死を迎えます。
動物により、老化スピードや平均寿命が違っています。
誕生から数年で死を迎えるものもあれば、数十年で死を迎えるものもあります。

何が寿命を決めるのか・・・  ここに面白い発表があります。


林博史氏*が「心拍数の総計が15億〜20億回到達で寿命」説を唱え、
「体重・心拍数と寿命の関係の数式」をたてています。
林博史氏:心拍数と寿命の関係についての論文を発表。  その当時、名古屋大学医学部第一内科に勤務。

「寿命」とは、時の流れという物理的なものではなく、心拍数や呼吸数など体 の中の生理的な現象を単位とした「生物的な時間」という考えなのです。  

「ほ乳類では動物の種類とは無関係に、一生の心拍数はおよそ一定だ」 というのです。 心拍数と寿命の間には、一定の数式が成り立ち、寿命は心拍数に反比例する と言うことなのです。 心拍数の多い動物は短命に、逆に心拍数の少ない動物は長寿になります。

また、体の大きさと寿命にも一定の関係があります。 体の小さな動物は短命に、逆に体の大きな動物は長命になります。 ネズミの寿命は約4年、ゾウは約70年の寿命があります。 ハツカネズミの心拍数は毎分600回、ゾウになると約40回になります。 呼吸数もハツカネズミでは速く、1分間に約150回、ゾウは1分間に約6回 です。  

これらの動物は、一生に打つ心拍数はどちらも、約15億回 という数が明らかになったのです。
このように、ほ乳類の一生の心拍数が約15億回と決まっているのだとした ら、1分間に多くの酸素を消費し、心拍数を上げた方が短命になってしまう ということなのです。 心拍数を時計の針の回るスピードとして考えるわけです。  

実は、心拍数と呼吸数は動物の代謝率に関係があります。 動物の平均寿命の違いは、体重あたりの酸素の消費量と比例しており、酸素 消費量の多い動物ほど寿命が短いという傾向にあります。  
動物の体が大きくなれば、一定の割合で代謝率も増えます。 体の小さな動物は代謝率が大きくなっています。 このため体の小さなものの方が心拍数が増え、呼吸数が速くなったりしてい るのです。  

【おまけ】
ヒトだけは例外です。 この計算からいえば、ヒトの寿命は約40年のはずですが、今では100歳 以上の方もいるほど寿命が伸びています。
これは、医療、食生活などの発達など、多くの要因がヒトの寿命を延ばしてい ます。  

また、心拍数や呼吸数とは無関係に、寿命の決まっている動物がいます。 食用鶏の寿命は約60日、卵を産む鶏で数年、和牛でも約3年の寿命です。 経済動物といわれている動物達の寿命は、ヒトの都合で決められています。 天寿をまっとう出来ない・・・
   

                         *動物病院の情報誌Nyanとかシロより転載許可受
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